季節・週末里親の関係づくり


【季節・週末里親とかかわる子どもたちの変化をみて】

ケースワーカーからのお話

施設で暮らす子どもの中で親との交流が途絶えていたり、その回数が少ない子どもたちを対象に、夏休みやお正月の数日間や月に1、2回の週末に交流をする里親を「季節里親」「週末里親」と呼びます。

実親との交流が再開したり、引きとられるようになるまでの間、交流をしますが、長い子どもは施設を退所するまで続きます。

そのような季節里親、週末里親と子どもたちとの交流を通して感じたことをいくつかお伝えします。

関係づくりには時間が必要

週末里親のKさんと交流をしているMちゃんは小学2年生の女の子です。

5歳の時から交流を始めました。

初めての人や場所に緊張をしやすいMちゃんが週末里親との交流をイメージしやすいように、事前に施設の担当保育士から

「一緒にお出かけをしたり、お泊まりに連れて行ってくれるおじちゃん、おばちゃんが会いに来てくれるよ」

と話をして交流が始まりました。

施設での面会と1日のお出かけはスムーズに終えましたが、初めて里親宅に泊まる日、里親宅の玄関を前にして家の中に入ろうとしなかったり、夕方になると「いつ帰るの?」と里親に聞いてきたり、緊張している様子がうかがえました。

その後、月に1回位のペースで里親宅に外泊をしたり、図書館に行ったり、映画を一緒に見に行ったり、交流を続けてきました。

当初は里親のいうことをよく聞き、靴はきちんとそろえ、自分の服は自分でたたんでいましたが、1年半が過ぎた頃からMちゃんの様子が少しずつ変わってきました。

それまでは言わなかったわがままを言うようになったり、歯磨きをしなかったり、脱いだ服をそのままにしている・・・というような行動が出てきたのです。

そんなMちゃんの様子を見てKさんは

「言うことを聞かないで大変な時もあるけど、やっと遠慮が無くなってきたのかな。」

と関係が深まってきたことを喜んでいました。


このように週末里親が子どもと関係を作っていくのには時間がかかる場合があります。

月に1回の交流ではできることは限られています。

時間をかけることで子どもも里親も少しずつ慣れて、関係を築いていくのです。

すぐに結果として現れないかもしれませんが、ちょっとした子どもの変化を感じてもらいながら気長に付き合ってもらうことが大切なのです。