身体の不自由なAちゃんの週末里親になって

週末里親をしているYさんの経験から
週末里親であるYさんより
Aちゃんのことを私も今の施設に来てから知っているのですが、精神的に強くなってきた。
さすが中学生だなと思います。
体も大きくなって、卓球をしていて、熱中するものが増えてきた。
最初はめそめそすることが多くて、心配していましたが、よく支えておられるなと思います。
私が週末里親をしている子どもは、小学校三年生の男の子で、両腕が欠損してるのです。
ほかの機能は問題なくて、赤ちゃんのときから病院にいましたので、その時から知っています。
里親になったのは5~6年前です。
病院から乳児院にきて、今の施設にいます。
今の施設にきてから週末里親になりました。
小学校に行っていますが、手がないためにできないことがいっぱいあって、今一番不便なのがトイレですね。
トイレに一人で行けない。
一人で行くために補助具を作ったりしているのですが、なかなかそれでは間に合わない。
「急いで」というときが大変です。
ボランティアの方がいて、トイレっていえば連れて行ってくれる。何とか持っています。
男の子なので、いつまでも私が介助にはいるわけにはいかない。
主人がいるときは、主人に任せますが、一緒に入れないときは困ります。
ですから、行動範囲を選んで、トイレがどこにあるか知って動くようにしています。
これから中学校に行って、トイレの問題や生活のことがどうなるかなと心配はしています。
Mさん
Yさんが交流されている子どもさんは、Aちゃんと同じ施設にいるので、よくお会いするのです。
手がないのですが、足が手のように動くのです。
行く度に、「食べてる!」「字を書いてる」って。
鍛えたら何でもできるんだって、感心しています。
Yさん
座ってじゃないとできないのですが。
最近、「僕におててがつくかもしれない」という話があって。
義手の話が上がっています。
形だけなのかどの程度のものなのか、わかりませんが、そういう装具のことをちらっと聞いています。
質問
どのぐらいの頻度で交流されていますか?
Yさん
彼は滲出性中耳炎があって、耳がよくなくて、右側がほとんど聞こえないんです。
耳鼻科の受診に連れて行っています。
週1回は受診と言われているのですが、なかなかそれができなくて、ひどくなったときには連れて行っています。
外泊は夏休み、冬休みに少し。
私と主人の都合を合わせて。一緒に寝るのは主人に寝てもらっています。
質問
外泊されたときは、歯磨きや食事など上肢を使うようなときはどうしているのですか?
Yさん
施設と同じで座って食べられるように準備をしておけば、全部自分でできます。
Mさん
低いテーブルを用意して、足をぴゅんと伸ばして、とても器用に動くのです。感心です。
Yさん
字も書ける。とっても汚かったけど、筆圧が弱い。
ですから、4Bの鉛筆を使っています。
質問
足に挟んで書かれるのですか?
Yさん
そうですね。左ききなのです。左足で書きます。
定規を使うって作業するときに書いているところが見えなくてむずかしいです。
本人がとにかく明るいので助かっています。大好きなので関わっています。
質問
Yさんが課題だと思っておられることがありますか?
Yさん
本人の将来ですね。
「僕は高校は行かんでもいいと思っているねん」って、そんな話をします。
「大きくなったら、どんなお仕事するかとか考えて逆に決めたらいいんちがう?」とか言っています。
「でも、そうなったら試験があるやろ?それが嫌いなんよ」っていうから、
でもね、「僕の顔みて決めるわけにはいかないし、勉強もしないといけないね」と話はします。

その後、MさんはAちゃんに「これからは外泊は難しくなるので外出だけになる」と説明をされました。
「中学生になったら他の子も外泊はしていないので、僕もそれでいい」と自分でも納得しているそうです。
【季節・週末里親交流会】
(はーもにい第118号より)