子どもから教えてもらった


今年来たのは、母子家庭の女の子です。

お母さんが病気になってしまい、家庭での生活が滞ってしまった。

親戚も遠方で近所の人が短期間は助けてくれるのですが、1月、2月は母が病で伏せっていますと、子ども一人で弁当を買いに行ったりして、生活をしていたみたいです。

お父さんは、離婚されていて、4歳のときからお母さんと二人で暮らしている。
お母さんと娘さんは、べったりという生活で、お母さんが子どもに依存傾向があるぐらいでした。

「まずは、安心して暮らせるように、あれこれたくさん要求しないでいいですから、楽しく暮らせるようにしてください」と言われ、何がいいかなと思いましてね。

私は昆虫を捕るのが好きで、ちょうど夏でしたので、近くにある森のような大きな公園に、虫取りに連れていきました。

これが的中しまして、虫少女になってしまいました。

蝉は、ミンミンゼミ以外は、全部捕まえました。
図鑑を買ってやりますとそれをずっと見比べて喜んでおりました。

最初来たころは、一人で眠れないと、仕事をしている私の書斎に来るので、添い寝しないと眠れないという状態でした。
だから、寝るのが早くなりました。

私にとっては子どもを公園に連れて行って、子どもが喜ぶ姿を見て、自分が楽しんでいるという生活です。

学校のことやいろんな送り迎え、明日の準備はどうだとか、服はどうだとか、
妻が全部やっていたので、子どもにとっては、少しいろいろ言われるなという感覚があったのかと思います。

お父さんはいいとこどりです。

何回かお母さんと面会をしたのですが、親子べったりですので、別れるときは抱き着いて離れなかったのです。

事件が起こりました。

親子で交換日記をやっているのですが、そこに

「私たちのことをお母さんはそんな好きじゃない。お父さんは大好き」

というようなことを書いていて、結構衝撃でした。

家内もちょっと落ち込みまして、送り迎えをして一番やっているのは、お母さんなのに、お父さんは、天才だとか言い始めました。

でも、帰る前ごろになりますと、私より妻に抱っこ抱っことなりました。

子どもが帰るときに書いてくれた手紙があるので、妻から読んでもらいます。