子どもから教えてもらった
Fさん(夫)
このようにして、子どもはうちへ帰っていきます。
いなくなると、火が消えたような寂しい気分になるのですが、ただ寂しいだけでなく、そのあとにほのぼのとした温かい気持ちがわいてきます。
子どもにとって親と分離されるということは、大変なことです。
世の中にはどうしても変えられないことがあります。
最初の子は、死んだ母親は帰ってきません。
2番目の子は、別れたお父さんは帰ってきません。
そのことは、子どもの心に澱(おり)のようにあるみたいですね。
2人目の子が、「ママがパパいらないと言った」と言ったときには、私は何も言えなくて、ギュッとハグをしました。
そしたら、ニコニコっとして元気に遊んでいました。
私のところに吐き出して消化したかったのだと思います。
起こってしまった辛いことは、変えようがありませんが、これからそのことをあるがままに受け止めて人生のストーリーを作っていくことができるのだなと思いました。
子どもは、すごく復元力があるものだなと子どもを通して学ばせていただきました。
我々がいろんなことを子どもを通して教えてもらい、人生が豊かになっていくのだなと思いました。
また、子どもを通して、私たちは、お互いに助け合いながら生きていくんだということを教えてもらいました。
Fさん(妻)
いろいろと悩むこともありますが、子どもからも楽しいこと、子どもがいないとできない経験をいっぱいさせていただいています。
学校の授業参観に行かせてもらって、運動会に見学に行ったり、音楽会のちょっとしたことを一緒に練習をしたりして、本当に楽しいことばかりさせてもらっています。
しんどいこともたくさんあるとは思うのですが、一人で乗り越えるというのは、絶対できないと思います。
夫婦で協力したり回りの人の協力があって里親というものができると思いますので、私たちの仲間になってください。
一緒にがんばりたいと思います。
最初は何もできなかった子どもたちですが、カレーライスを作ったり、野菜サラダを作って私たちを待っててくれるまでになってくれました。
すごく成長したなと思います。
【2015年11月23日開催 里親制度をすすめるために~ドキュメンタリーの上演とトーク】
(はーもにい第120号より)