おばちゃんの料理、おいしいわ


【5年間、週末里親を続けて】

週末里親Eさん(女性)からのお話


「あなたの愛の手を」の記事がキッカケ

私は今、高校3年生の女の子Nさんのボランティア里親をしています。中学2年生の時に出会ったので、もう5年になります。

私が里親をしようと思ったきっかけは、神戸新聞の「あなたの愛の手を」という記事を見ていて、「この子たちに里親が見つかればいいなあ」と思っていたんです。

記事を見始めた頃は私も仕事をしていたので、そんな気持ちだけでその記事を読んでいました。

10年前に退職してからは、時間的な余裕もできて、「自分がこの子たちのために何かできないかな」と思うようになったのです。

児童養護施設のボランティアを探してみたり、絵本の読み聞かせの経験もあったので、そんなことで何か子どもたちに喜んでもらえることはないかなとか、あれこれ考えていたんです。

そんな中で一番子どもに喜んでもらえることは、「里親さんのところへ行きたいと思っている子どもの願いを受け入れること」だという結論に至ったわけです。

いざ、里親を始めるといっても、本当に自分にできるのかなとか、子どもが馴染んでくれるだろうかとか、漠然とした不安がいっぱいありました。

そんなある時、里親さんの講演会に参加して、グループでの話し合いがあったんです。

その場で「気持ちはあっても不安で一歩が踏み出せなくて…」と言ったら、里親経験のある方から「里親を求めている子どもはたくさんいるので、その気持ちがあるなら是非里親になってください」と言われたんです。

その言葉に背中を押される感じで協会に里親の申込をしました。

しばらくして連絡があり「中学2年生の女の子」を紹介されました。

私は子どもと言えば、小学生までの小さい子をイメージしていたので、中学生と聞いて「どうしようかな、思春期の中学生って難しいのでは…」と思ったのですが、以前に新聞で、男子高校生が初めて里親さんのところへ行って、とても喜んでいたという記事を読んだことがあったのです。

「高校生の男の子がこんなに喜んでくれるのなら、自分も2人の娘を育てた経験もあったので迎えても大丈夫かな」と思って交流を始めました。

施設での面会を前にして、主人とはその子が私たちの家庭に来ることを望むなら、それでOKにしようと話していました。

施設に2人で面会に行き、「学校はどう?」とか、「部活動は何してる?」とか、「好きな食べ物は?」とか、10分ほど話し合いました。

彼女が部屋を出て行ったあと、どんな印象をもってくれたのか不安がありましたが、職員さんが戻ってきて「次はいつ会えるのかな」と言っていましたというのを聞いて、「よかった」と思いました。その時、次の面会の日程も決めました。