「試し行動」への対応について


【試し行動って特別なこと?当たり前のこと?】

ケースワーカーからのお話

里親と交流を始めた子どもに見られる特徴的な行動として、「赤ちゃん返り」「試し行動」と呼ばれるものがあります。

「赤ちゃん返り」は、実子養育でも、第2子が生まれた時に、上の子どもに見られるものです。

「哺乳瓶で飲みたい」と言ったり、「服を着せて欲しい」と甘えたりすることなどです。

里子の場合は、里親との関係を一から築き直すということから年齢を問わずこのような行動が見られます。

「試し行動」は、親となる養育者が自分のことをどれだけ受け入れてくれるのかを子ども自身が知るためにとる行動で、人が嫌がるような行為で現れることがよくあります。


里親と面会を始めた2歳のAちゃんは人見知りがあり、里親に慣れるのにも時間がかかりました。

ほぼ毎日里母が施設へ通い始め、関係が深まってくると、たたいたり、蹴ったりすることが頻繁に見られるようになりました。

3歳のB君は食事の時にわざとお汁をこぼしたり、自分が思った場所でおんぶや抱っこをしてもらえないと

「ここじゃない。あっち!」

と泣いてぐずったりしていました。


これらの「赤ちゃん返り」「試し行動」については受け入れ、乗り越えていくことで子どもとの関係が築かれていくと言われています。

ただ、子どもが慣れてくれたかなと思った時に出てくるため、里親からすると戸惑うこともあるようです。

「赤ちゃん返り」のように甘えるという行為であれば受け入れやすいかもしれませんが、「試し行動」のように、言うことを聞いてくれなかったり、その程度が激しくなったりすると里親もイライラしてしまうでしょう。

里親さんから、

「甘えも試しも全て受け入れないといけないのですか?
どこまで受け入れ、どこで止めた方がいいのかわからなくて」

と相談されることがよくあります。

受け入れるべきものとは思っていても、その限度はどこまでなのかと。