看護師になったよ!
生みのお母さんに手紙を書いて
聞き手
私はもっともっと小さい時、3ヶ月くらいの赤ちゃんのときにあなたに出会ってた。かわいい子やった。
みわこ
お姉ちゃんから丸々太ってたって聞いた。
中学校のときも卒業アルバム見たらまん丸やった。高校のときまで丸かったん違うかな。
看護学校でちょっと痩せた。それからあんまり今も変わってない。
聞き手
看護師になって、「これでよかった」という感じ?
みわこ
うん。病院では先生が忙しくて病棟にいないから、私らが見てないと心電図に変化あっても、先生が外来とか手術とかやってたら、私らが見とかんとあかん。先生らとそんなやりとりしたり、患者さんとしゃべったりして、仕事は楽しい。
聞き手
今の循環器科は自分で選んだの?
みわこ
うん。循環器病棟の希望出したら、その通りにずっとそこにおらしてくれてる。
ビデオをずっと録画してくれたお父さん
聞き手
ところで結婚したきっかけは?
みわこ
友達の紹介。職場の同期の友達の旦那の友達だった。
それで紹介で知り合い、ちょうど2年で結婚式した。
聞き手
自分のことは彼にどうやって説明したの?
みわこ
彼が先に、両親が離婚してるっていう話をしたから、「うちお父さんとお母さんおらへんで」って普通に話した。
多分電話でしゃべったかな。
すると「そうなん?」ってそれだけ。
聞き手
でも縁組みしたMさん家族がいるでしょ。
養子縁組してるからあなたの親で、子どもとして責任がある。
お姉ちゃんも、お兄ちゃんもいるでしょ。お父さんの仕事はどう?
みわこ
商売はもうほとんど需要がないので、新しい仕事は全然ないから。
店屋をお母さんがしてる。お父さんはあんまりかかわってない。
お父さん、この前「入院した」って言うから、「どないしたん?」って聞いたら、「足腫れとんねん」って言う。
結婚式の1週間前くらいに退院したんかな。
聞き手
Mさん宅で一番印象に残ってることある?お父さんお母さんの。あなたにとってどんな人かな。
みわこ
どんな人?うーん、とても良くしてもらったなって思ってる。
聞き手
私が一つ印象に残ってるのは、あなたが来ていないとき、ずっとテレビの番組をビデオで録画してくれてたんやってね。
あなたが見たい連続ものの番組があるので。
みわこ
「命の現場から」。あれ平日のお昼のドラマやったから。
聞き手
それ見られへんから、まとめて見れるようにずっと録画してくれてた。すごいことやね。
Mさんはそういうことができる人や、毎日毎日。
あれはあなたが「ここへ来たとき見るからビデオに撮っといてくれって言うから」って録画してくれてた。
みわこ
お父さんは多分自分で後からCMをカットしてくれてた。
お父さんのビデオデッキはCMカットの機能がないから、自分で見ながら、早送りしてCMだけカットしていた。
お父さんは面倒見るのが好きなんかな。
お姉ちゃんの子どもとかの面倒もよく見てる。
私、家出るときめっちゃ反対された。
最初はお父さん、お母さん2人とも反対してて、お姉ちゃんに「反対された」って言ったら、お姉ちゃんが「このままこの家におったって、みわこはなにもしないから、一回家の外に出した方がいいよ」って言ってくれて、出られることになった。
聞き手
自立心が強いんやね。あんまり干渉されたくないとこもあるかな。
生みの親のことは考えたことある?
みわこ
全然。会いたいとも思わない。
旦那さんにも「探したいんやったら探すの手伝うよ」って言われるけど、「いや、別に探そうとは思わない」って。
むこうは両親が離婚してて、彼はお母さんが好きで、「お母さん1人で生活するの大変やから」ってお母さんにずっと仕送りもしてる。
「お前もお母さんに会いたいんやったら探せば?」って言う。
「いや別に私は探さなくていい」って言ってる。
(はーもにい108号より)